1994-01-01から1年間の記事一覧

あるのにない空の雲(1994年7月21日)

とおくからじゃないと みえないもの たくさんあるね 星に月 太陽 虹 そして 愛 近づきすぎると 何にもみえなくる 「愛」でヒトを傷つけ苦しめてしまうなんて それくらいおろかだから ばからしくって 笑ってしまうよ ねぐるしい夜 ねぐるしい夜に 見る夢は つ…

ゆうやけゆうぐれあかいくも(1994年7月21日)

いいゆうやけだね いいゆうやけだね そう ことばをかわして ただ だまって それから それから だきしめて そんなふうにおちていく 夜になったら 星がひかり 月がにじみ わたしたちは 手をにぎりしめたまま ねむられるかな ねられるかな 夢はわたしを うらぎ…

木星に彗星おっこちた朝

もくせいにすいせいおっこちたあさ 東京は熱帯夜 わたしの体に汗がにじんで ちいさな部屋のなか とりとめなくてのひら ひらひら おちていくあてもなく みえないなにかをみつめて うろうろするばかり

金色にふってくる光

まっていると きんいろに ふってくる光 体やわらかくして 風鈴みたいにぶらさがって ただこうして いのるようにして待っていると 金色の光 ちりちりと燃えているのは 心の奥底 イノチのマグマ きょうも ゆっくりと ゆうぐれになり あちらこちらで かがやきだ…

よろこびのうたを

よろこびのうたを 自らの声で歌うために もう少し強く 生きていきたい

無邪気だったあのころに供養の火をともす

ぐらぐら 煮たって おもわずこぼれる 感情に ヤケドする

闇があるから明るさもあるように

闇があるから明るさもあるように 苦しみがあり 喜びがある あたりまえのように 知っていたことが いま わかるようになった どうせならこの状況を くるしさ かなしみ すべて 楽しんでしまおうとおもう そうおもえるわたしが いまは スキだ

しとしと雨の日は(1994年7月7日)

しとしと雨の日は こころが空みたいに あかるくて くらい しかたなしにふってくるものが 静かに街の外側をぬらす かわら屋根はにぶくひかり 空の色をうつしてる FMラジオは うたをうたい 鳥たちもしきりに うたうたい ここにいるよ ここにいるよと そればか…

あきらめてしまってよいものか わたしにもまだわからない 時間は過ぎていくね いろんなことにも 慣れていくね 何がだいじなことなのか 何を失いたくないのか わかってくるね とけちゃった氷は水になる 飲んじゃった水は わたしの血になる おしっこになる ゆ…

梅雨空は(1994年6月29日)

梅雨空は いろんな雑音 ひびかせ すいこみながら ときどき 雨をふらしていく 停滞前線が日本列島をくるんでいます 明日は 晴れるでしょう 曇るでしょう 雨でしょう いずれにしても いい天気 もうじき ずぶといウナギのような 夏がやってくるでしょう

はやくゆっくり(1994年6月29日)

うろうろ あるきまわる ひとまわりもふたまわりも 大きなひとのカラダ うろうろ おかしなやつ ふらふら みてるわたしも おかしなやつ どこへいきたいの? ここではないどこかへいきたいの? はやくゆっくり いってらっしゃいよ

ふくふくの 手(1994年6月29日)

こどもの ふくふくの 手 おとこの ごわごわの 手 わたしの これっぽっちの 手 手と手を つないで しっかりにぎって ただ 夢もみず ぐうぐう眠りたい

みつめていただけ(1994年6月29日)

わたしは じっとみている あなたが 何? とこたえる わたしは ん? と笑う そこにいるね それだけを みつめていただけ

青い鉛筆ころがった

青い鉛筆ころがった 固い受話器が コトリ と落ちた おなかのまん中ゴロゴロ鳴って せなかのまん中ズキズキ痛い 吸い殻ぱさっと捨てるみたいに 目を閉じた 耳は開いたまま いつのまにか呼吸する ひらいてとじて しめったからだ 目からぽろぽろ 落ちてく涙 6月…

さよなら子猫

かけまわる 子猫の とことことこ 足音ひびく じゃれつくからみつく 小さな爪 わたしの足にひっかかって 痛い 小さな傷は すぐ消えるから 平気 どんなに強くかまれても 平気 うれすぎたりんごを 囓ったあとみたいに 甘く苦く しずむ 胃袋 このまま 体もとけて…

梅雨のつかのまの 晴れの日には 東京の風にも 海の匂いがする ゆうやけもみないうちに よるになった ごうごうごうと電車がゆくよ さまよう人々のタマシイ たくさんはこんでいくよ

とほうにくれて とほほ

ここにいる どこでもなく ここにいる だれでもなく わたしがいる いるばかり

パイナップルくだけてちった

パイナップル くだけてちった 黄色の汁 とびちった ベトベトまとわりついて とれなくなった 海に入ろうにも 海はとおいな わたしがくだけてちったら 赤い汁もとびちるかな 洗っても洗ってもとれない くるしみ

とりあえずの人生予報

とりあえずの人生予報 今夜もねむろう 眠れるだろう 明日のあさ めざめるだろう めざめることが できるだろう 確率100% ほんとかな?

かなしい頭蓋骨

かなしい頭蓋骨 つつんでいる笑顔 だきしめて 眠る ひとつめざめるたび ひとつ 死んでいく なにが欲しいのかさえ わからないのだけど 欲望はこんこんと限りなく湧き 生きていく カラダをあたためつづけてる エネルギーは 燃えつづけ さびしいてのひら ひらひ…

外があんまり明るいので

外があんまり明るいので 玄関のあたりが真っ暗だ これではだあれも 入ってこれない 夜になると 笑ってるような 三日月 あらわれ 人々たちの窓が いっせいに しずかに ひかりはじめる うつくしくて はかない 恋の幻想の物語 ともにみられる夢が まだ あるのな…

よなかのダンス

夜にくるりとうらがえって ぞくりとする和音かきならし 生霊になって ごうごうおどろう すべてを呪い あるいは讃え 指鳴らし 地団駄ふみ 青い炎となって とけてしまうまで きえてしまえるまで あなたの魂 吸いつくすまで

夢からさめてまた夢のなか

ゆめからさめてまたゆめのなか 落ちてきそうな雲のした ばたばたバタアシするみたいに いそぎあしで あるいていく つぎはどんな ゆめのなか? からみつくものをやさしくほどく 手は どこにある?

さかさおとしに

さかさおとしに まわるじかん 雨やんだ

毎日がイベントのよう

ああ、毎日がイベントのよう。けっこうつかれるなあ。たのしんでもいるのだけど。 4日の夜、Fちゃん*1とアサガヤでごはんたべてから、飲みに行った。いろんな話しをした。Fちゃん、とてもかわいかった。 とにかく、今の状況おたがいにみとめあい、信頼しあっ…

さよなら家族(1994年6月7日)

おとうさんに さよなら おかあさんに さよなら こどもたちに さよなら 夫に さよなら 妻に さよなら わたしはわたし どこにいるの? ここにいるの あなたはあなた どこにいるの そこにいるの ごはんが炊けたよ 今夜は みんなでいっしょに いただきましょう

おっこちてくるものはなんだろう

おっこちて くるものは 何だろう 空から雨が おちてくる ただそれだけの ことなのに ポン ポン あちらこちらで ひらく傘 おっこちる 雨 おっこちる 視線 おっこちる イノチ 踏んで歩く 人の足音

こわれる こわれていく

こわれる こわれていく われる われてしまう かなしい音たてて こわれる カケラになる ちらばる ばらばら また こわれる あっけなく こわれる ちょっとのまに その瞬間をみる隙もなく われる バラバラ カケラは しずかに ちらばっている もう どうにも こう…

愛情ラプソディ 1994年06月04日

いとしいと おもうきもちに かなしばり 近づきすぎると くるしくなるから あなたはそこに わたしはここに いることを信じて 生きてゆく たくさんのこと話したね おいしいお酒でかんぱいしよう 何度も何度もかんぱいしよう たとえかなしみが わたしたちのあい…

うしろアタマがつんと痛む 1994年06月04日

うしろアタマがつんと痛む そんなにケムリすいこんじゃあ 涙がにじむ ひとびとはどこへいった ごうごううなる街の音 ひこうき雲は空にとけた あさってくらいに雨がふる きょうはどのくらい 生きたかな 生きた分だけ 死んだかな あいかわらず風は吹く あいか…