1994-06-24から1日間の記事一覧

青い鉛筆ころがった

青い鉛筆ころがった 固い受話器が コトリ と落ちた おなかのまん中ゴロゴロ鳴って せなかのまん中ズキズキ痛い 吸い殻ぱさっと捨てるみたいに 目を閉じた 耳は開いたまま いつのまにか呼吸する ひらいてとじて しめったからだ 目からぽろぽろ 落ちてく涙 6月…

さよなら子猫

かけまわる 子猫の とことことこ 足音ひびく じゃれつくからみつく 小さな爪 わたしの足にひっかかって 痛い 小さな傷は すぐ消えるから 平気 どんなに強くかまれても 平気 うれすぎたりんごを 囓ったあとみたいに 甘く苦く しずむ 胃袋 このまま 体もとけて…

梅雨のつかのまの 晴れの日には 東京の風にも 海の匂いがする ゆうやけもみないうちに よるになった ごうごうごうと電車がゆくよ さまよう人々のタマシイ たくさんはこんでいくよ