青い鉛筆ころがった

青い鉛筆ころがった
固い受話器が コトリ と落ちた


おなかのまん中ゴロゴロ鳴って
せなかのまん中ズキズキ痛い


吸い殻ぱさっと捨てるみたいに
目を閉じた
耳は開いたまま
いつのまにか呼吸する


ひらいてとじて
しめったからだ
目からぽろぽろ
落ちてく涙


6月の夜の風は
すこししめってやさしくみえる


痛い言葉を
ぱさっと捨てよう
焼け焦げたところは
こそげてけずろう


痛むところを
ざらざら舌で舐めておくれよ
金色の灯のともるふたつの瞳で
みつめていてよ


沁みてもくちびるかんで
いっしょうけんめい
こらえてみせる


落っことして壊れちゃった箱のなかに
いったい何が入っていたのやら
こわくて
確認することさえ できないでいるんだよ