約20年前頃に書いた詩

東京んちのベッドのしたのひきだしから
出てきた、詩。


約20年前
小さかった娘ふたりつれて
池袋サンシャインの水族館に行った後にかいたもの。
まだ、結婚していたころのもの。
人からは「幸せなおくさん」と見られてたころの。


この数年後に、怒濤の日々が……やってくる。
それを予知してるような。

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水族館で



四角い水の箱のなかに
ただよう2匹のマンボウ
見えない下半身を想像してる


不安を忘れていたいから
不自由でいたいと望んでいるかのようだ


ぼんやりしてると捕まっちゃうよ
そうしたら今度は 鮫になれるかな


ざわめきの向こうで始まるアシカショー
わたしの子どもたちはすっかり
「ヘッドフィッシュ」を忘れてる
すぐに忘れてしまえるそのやり方を
思い出させてほしいな


孤独とか不安とかひとりでは生きていけないこととか
すんなり 知らん顔して
つぎの場面に行ってしまいたい
あなたに話したかったことなんかもみんな
一緒くたにしてね


はじめっから失ってた 体みたいにさ


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