すみだトリフォニーに ニコライ・トカレフくんのピアノを聴きに行く。

marik02007-07-10



またまた行きました、トリフォニー。
これで今年3回目? かな。
チケット代割安なのに、けっこう席が空いてたのは
あちこちでコンサートやるせいかな? 
女性率高し、それもちょっと年配目(あたしもかっ?)


プログラム
モーツァルト: ピアノ・ソナタ へ長調 KV.533
ショパン: ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調 op.35「葬送」


シューマン: 子供の情景 op.15
チャイコフスキープレトニョフ編曲]: 組曲くるみ割り人形


くりっと坊主頭、黒ずくめのシャツ&パンツ姿の青年、さっそうと登場。
天才少年、としてデビューしたらしく、
何度も来日してるらしい。
わたしはたまたま、NHK衛星放送で彼の演奏を観て、
一度聴いてみたいとおもっていた。


モーツァルト、軽快でころころ走り抜ける感じが爽快。
長調のリズムが合ってるみたい。
ショパン、一楽章二楽章、どどどんと迫力。
さてしかし、葬送〜墓場を駆け抜ける風は、
う〜〜ん、きれいなんだけど、なにかモノ足らない。
なんだろう……。


後半、シューマンは……やっぱりちょっとものたらない。
いえいやそんなこと言えたアレでもないんだけど、ん、ん、なんだろう。
強いていえば、音色、PPP,PP,の音の色合いにもうちょっといろいろあればな……と。
10年後、同じ曲をまた聴いてみたい。


後ろの席のおばさまたちの会話。
あちこち聴きにいらしてるらしく
「プレハッチ、よかったわよね、音がやさしくて」
「きょうのピアノは……もにょもにょ、あんまりもにょもにょ、これってスタインウエィよね……」
ずけずけとおもうままをおっしゃられてました。
が、アンコールの時は、もうすんごく喜ばれていらして
トカレフくんが出てくる度に「あら、かっわいいわね〜 ほほほほ、あら、また弾くのね、あらあら」と大満足のご様子でした。


おっと、えっと、シューマンの次の
くるみ割り人形」これはもうかれの十八番でしょう。
途中、あまりの超絶演奏に「ブラボー」&拍手が出て、彼も客席をみてにっこり。
うふ、笑うとやっぱりカワイイ(23歳だものね……うちのゆうなが22歳……)
ああ、いいやつだなトカレフくん。



アンコールも、すばらしかった。
若さときらめきあふれる、ラ・カンパネラ。
映画の森のテーマ曲も、なかなかいい曲。情景が浮かんでくる。
鉄腕アトム、は弾きはじめは「???」こんな曲あったっけ? えっと
スクリャービンでもないし、浪漫派でもないし、ムード音楽でもないし、とおもってたら
聴き慣れたメロディーがでてきて、観客もどよどよ拍手。
ラストも高音のトリル、トリトリトリトリトリとならしつつ、客席に笑顔を向けてアピール。
なごやか〜な雰囲気が漂っておりました。
いいやつだな、トカレフくん。


演奏後のサイン会*1、びっくりしたのは
会場を出てみたらもうすでに、トカレフくんが席に座って
次から次へと、CDにサイン、にっこり握手、をしてたこと。
いつもならば、演奏後ピアニストが出てくるまで5分ほど待ってるのが常。
若さなのか、お人柄なのか、楽屋からダッシュでサイン会テーブルにつかれた彼の動きに
好感度アップ。


すばらしいピアニストくん。
もっともっと、いい演奏をこれからも聴かせてねっ。

*1:わたしは仕事もあったので、今回はパス。写真だけ撮らせてもらいましたが