エフゲニー・キーシン

夜、ミューズ川崎コンサートホールに
キーシンのピアノを聴きに行く。
初めてのホール。
品川から東海道線で約10分で川崎。
ホールはすぐ駅の前。


感じのいい、ホール。
円形劇場のようになっていて
親しみやすく、音響もいいかんじ。

ピアノはスタインウェイかな。
どの席からも、まっすぐステージがみえるようになってる。


キーシン、まずベートーヴェンソナタ*1
魅力的なリズムと音。
導入部から、ぐいっと彼の音楽にひきこまれた。
すばらしいテクニック、そして音楽。
神童といわれた少年。
堂々とした演奏、聴くものを魅了する。
彼のなかには「音楽のかみさま」がすんでるみたい。
天才ピアニストのひとり。


すっかり、だんだんと……ポゴレリチもそうだったが
あやしい個性的なオジサンへと成長しつつあるようで、楽しみ(?)
女性ファンもたくさんいるようだ。


後半はショパンスケルツォ
す、すんばらしい技術。音。圧倒的。
低音和音をあんなふうに重低音で響かせながら、
はらりと高音軽やかに舞う変幻自在……。
正当派のようでいて、かなり個性的な音色を持っている。
ついつい聴きつつ
(こんなふうに弾けるピアニストって、他にはポゴレリチくらいかな)などと
なぜかポゴレリチのことを強く想い出してしまったのは、わたしの病気。


拍手鳴りやまず。
キーシンも嬉しそうに、童顔の笑顔をふりまいてる。
頭が大きくてもじゃもじゃの天然パーマがゆれる*2
お辞儀をするたびに、ふさふさと。
かくんかくんと、頭の重たい布製のお人形さんみたい*3


アンコールをたくさん弾いてくれた*4
ポゴみたいに、いすをピアノの下に蹴り入れたりしない。
花束を持った女性たちをみると、
ちゃんと自分からにっこり笑顔で歩み寄って受けとってるところも
ポゴレリチとは大違いだ*5



ラスト、バッハのシシリアーナを聴きながら、
帰りかけてたけどもどってきて入り口付近でたったまま聴き入ってる人たちを見てたら、
ふと、タイムスリップしたような、くらっとするような気分に陥った。


人たち、人々たちがあつまって、
キーシンのピアノを聴いてるこの瞬間。
映像とともに、その音は、忘れられないキオクになりそう。


公開!こだわりパン屋さんのパンづくり

*1:3番と26番(告別) 

*2:ポゴみたいにスキンヘッドにしたら……と、想像してしまった。笑うと笑顔がカワイイ〜ところが、ちょっと似てる? かも。手の大きいところや、タキシードを着ると、かなりぱっつんぱっつんになってるところ、ところどころ、指使いのカタチや音に、共通するモノがあるような気がした。でも、音楽へのアプローチのしかたは全く違う資質のふたり。

*3:ピアニストたちのお辞儀って、なんか、ヘン……ビデオにとって比較検討したら面白そう〜

*4:なんと、8曲も。お客さんたちも暖かい熱い拍手を止めない。キーシンもピアノのフタを閉めようとしない。シマノフスキーエチュード4の3、ショパンエチュード10-4、リストのハンガリーラプソディ10番、ショパンのワルツ7番、ベートーヴェンコントラダンス、ブラームスのワルツ15番、ショパン子犬のワルツ、バッハのシシリアーナ

*5:なぜか、ポゴレリチのことを強く想い出した。何度も