午後2時から 彩の国 さいたまホールへ 北村朋幹くんのピアノを聴きに行く

埼京線でトコトコ出かける、ああしあわせだな。
http://www.saf.or.jp/arthall/event/event_detail/etoile/etoile07.html



シドニーの国際ピアノコンクールを
ネットラジオ配信で聴いていた。
彼のピアノは、他のピアニストたちとは色合いが違っていた。
透明で、明るい響き。
独特の、間合い。
とくにグリーグの曲で、その音の美しさに惹かれた。


すたすたっとあらわれてピアノにむかい
白いハンカチで鍵盤を拭き
構えて はじめの和音を出す その一連のしぐさをみただけで
ぐっときた。
硬質で明るい音色。
バランスのいい響き。
さらさらと輝きながらながれる音楽。
どうやったらあんな音が出せるのだろう。
それも、一音、だけじゃなく連なる音すべてが
バランスよくて 美しく響く。
17歳? とはおもえない、音楽世界がひろがる。


クラム:《1979年のクリスマスのための小組曲
J. S. バッハ(北村朋幹編曲):
憐れみたまえ、わが神よ(《マタイ受難曲》BWV244より 第39曲)
羊は安らかに草をはみ(《カンタータ「楽しき狩こそわが喜び」》BWV208より 第9曲)
グリーグ:《叙情小品集》より
ショパン:バラード第1番 ト短調 作品23


ドビュッシー:2つのアラベスク
シューマンクライスレリアーナ 作品16


アンコール
グリーグ 叙情小品集 作品12 アリエッタ
シューマン リスト編曲 献呈


バッハは、ご本人の編曲。
ううむ……すばらしい。
響きがうつくしくてずっと聴いていたくなる。
天から いや 天のあたりで 鳴ってる響きを とりいだしてくるような。
そんな彼のピアノの音は、グリーグの叙情小曲集がとてもぴったり。
遠い国の物語が、澄んだ声で聞こえてきそう。


ショパンバラードは、しょっぱなから
いわゆるショパンらしさとは違う響かせかたをしていた。
意図的なのだろうか。
だとしたら、もっと、も〜〜っと やっちゃっていいんじゃないかしらん、とおもったけど
やりすぎると某スキンヘッドピアニストさん*1みたいに、
ショパンらしさが壊れてしまうから 危険かも? ……などと密かに思いつつ聴いてました。


後半、アラベスクシューマン
シューマンの、若い情熱、苦悩、喜びそして、狂気が
彼らしい勢いで描かれていて、
ラスト、ぐっとひきこまれた。
ああ、すごい若いヒトがいるんだな、ああ。
彼が50くらいになったらどんなピアノを聴かせてくれるんだろう……長生きしなくっちゃ!


アンコールの2曲にはすっかり ハートやられました。
いやん、なんてきれいなアリエッタ。
もうたまらん。
そして、献呈……けっして大声でうたわない歌声に
そのやさしさ軽やかさに 深く やられました。
よろこびあふれる感情がつたわってきて、……たまりませんです。


ありがとう〜 ピアノ。
ありがとう……音楽。


わたしもはやく、マイ シゲルカワイを……