マルティン・シュタットフェルトくん、協奏曲 ヴァリエーション

夕方までに、があっとラフを仕上げて、
FAX送り、すみだトリフォニーへ。
またまたいきおいでいってきました、コンサート。
当日券を購入〜
どうやら、すみだの両脇バルコニー席は、
当日発売扱いらしいような気がする*1
で、いきおいついでに、ステージ向かって左側のいちばん前の席をゲット。
ちょっと恥ずかしかったよ……なんでって、この、もうどうにもとまらない自分が……ああっごめんなさいっ、でもでも、
聴きたかったんです〜〜〜 ……だれにあやまってんだ?


バルコニー席だよ、王妃席だよ。
ステージも、ピアニストも良くみえました。
よくきこえました。


プログラムは、バッハのコンチェルト1番(ハープシコードと弦楽器のための)。
リズミカルにスタート。
椅子に低く腰掛け、肘は鍵盤より下。
おおきくてやわらかい、しなやかな指は、あまり鍵盤からはなさず打鍵。
ころころときれいに転がる音、疾走感がきもちいい。


前半終了後に、アンコールを弾いてくれた。
弾く前に英語でひとこと、曲名を客席にむかってアナウンス。
よくひびく低い声。
「バッハ ファンタジー Cマイナー」と聞こえた。


この曲は、グールドが弾いてるのを聴いたことがある。
ピアノソロで聴くのははじめて。
くりかえされるフレーズに、ゆられる。


後半、ベートーヴェンの「皇帝」、コンチェルト5番。
誰が呼んだか皇帝と。
どうどうとした曲、だからだろうけど。
マルティンくんは、どうどうとした「皇帝」というより、
溌剌と若く希望にあふれた「皇太子」…(王子さまというには、ちょいと抵抗ありますんで)…といった風情。



ここのところ、チャイコンで、
がんがんド迫力、情感た〜〜っぷり、演奏ばかり聴いてたが、
マルティンくんの奏法は、もう全く違う。
いちばん近いタイプは、やはりグールド?
腕のちからをきれいに抜いて、指コントロールでクリアな音をはじき出す*2



がんがん系スキな人には、ものたりないだろうな、この「皇帝」は。
でも、マイニチ、何度も繰り返し聴くのだったら、こっちがいい。
2楽章のながれも、絶品きれい*3
ああ、こんなふうにひいてみたいけど。
あんな手をつくりあげるためには、……途方もない年月、才能が必要みたい。

*1:おととい、会場で発売してるのをちらっとみたら、両側バルコニー席は販売してなかった

*2:わたしとしては、オーケストラのピアニッシモ部分は、もうちょっと音を抑えてほしかった。ピアノの音よりも、pppにしないと、バランスがよくないみたい

*3:アンコールに、皇帝の2楽章を再度演奏。ぞくぞくしました