アンドレ・ジッドのショパンの本を読んで

「おお!」と3カ所付箋をつけた。
ショパンは浪漫派のようにおもわれていて
情緒的演奏が多いが、実は古典派なので、「楽譜通り」の音符で演奏すること。
これ、ポゴレリチがマスター・クラスで言っていたことに共通します。
ショパンの曲は古典的構造をもっているということを、強調していました。
さらに、ジッドの頃の巨匠(マエストロ)、ショパン弾きのコルトーといった演奏の達人(ヴィルトゥオーゾ)あたりも
ショパンを速く弾きすぎていると、ジッドは指摘。
「初めて演奏家が適切なテンポでーーすなわち耳慣れたテンポよりずっと遅くーーショパンを弾く決心がついたなら(なぜならそこに至るには相当の勇気を必要とするからである)、その演奏は初めて聴衆にショパンを心から理解させ、胸いっぱいの感動を与えることになるだろう。これこそショパンに値する。」
以上、本からの引用。


ま、ポゴは遅く弾きすぎ、ておりますが、相当勇気ある演奏スタイルだとおもいます。
果たしてアンドレ・ジッドが、ポゴレリチショパンを聴いて
なんとおもうやら。

ショパンについての覚え書き アンドレ・ジッド 中野真帆子[編訳]

ショパンについての覚え書き アンドレ・ジッド 中野真帆子[編訳]



もうひとつ引用。
「……いずれにせよ、速いテンポにありがちな、耐えがたくも確固たる自信にみちた演奏をしてはならない。演奏は発見していく散歩なのである。演奏者が前もって曲の展開を聴き手に予想させすぎたり、既に用意されたものをなぞっているのだと悟られたりしてはならない。」
……ポゴレリチの場合、予想できなさすぎ。
散歩というより、出口のわからない異世界をさまよってるような……?