きょうはきょうで過ぎていく

っていうことだけなのに
あたりまえのことなのに
時間が生む 時間が育てる 時間が老いる 時間が死ぬ
きのうまであたりまえにあったものが きゅうに 消えたりする
記憶だけを鮮やかにのこして


あしたのことも あさってのことも なにがあるかなんて
わからないのに ひとはまいにち 約束する
あしたはきっと あさってはきっと らいしゅうまでには
らいげつの何日にはきっと 会いましょう と 
であって わかれて 約束して くりかえし くりかえすのだけど
二度とおなじことは起きません  


あたりまえの ことの なかにこそ 奇跡があって
不思議がたくさんあって 
タイクツしているヒマが まったくありません
めんどうなこと、つらいこと、くるしいこと、おもいがけないこと
毎日毎日不測の事態が 起きてる ふつうに足下でおきてる
あたりまえのことが 不思議だらけだ
からっぽのなかに たくさんのあたりまえがつまっていて いろとりどり
ざわざわ いってる うたってる 奇跡のうたをうたってる
ハーモニーがきこえる すてきな不協和音たち
ずっとそれに聞き入ってる なんていい音楽なんだろう


きょうはスーパーで赤いスイカを買いました。
あしたきっと包丁で切って食べることでしょう
夜ご飯に鯖カレーをつくりました。
鯖のとろりとした脂身とカレーはとてもよく合います。
なすやピーマン、ニンジン、タマネギにもよく合います。
すこし残ったので、これをあしたはまたあたためなおして食べるでしょう
のこったら 冷凍うどんをいれて またまた
カレーうどんをつくるでしょう
おいしく どん欲に いただくでしょう


あしたの約束は ささいな約束
いとおしい約束
確かな約束 不確かな約束 かぞえきれないくらい あって
いったいいくつくらい 約束をまもってきたんだろう?


ウソになる 約束は いつも やさしかった


わたしのアタマのなかの電波たちがざわめいて
言葉たちになって 活字になって また電波になって
とんでいく あてもなく そうして
あなたのアタマのなかに 電気の波を起こす


なにか 生まれた?
なにか 消えた かな?


聞こえます か?

*1

*1:鯖カレー