消したい存在

本気で死にたいと思ったことはないけど
消えたいとおもってたことはあるな。
もしくは、消したい。
存在を消したい存在がいた。


いなくなれー!


殺したくはない。
怨んでるわけではない。
この世界にはじめっから、
いなかったことにしてよ
神さま。
漠然と望む。そんな感じ。


そしてそんなことを
望んでしまう自分を深く恥じた。


なんて小さな
なんてちっぽけな
ココロの狭い
ニンゲンなんだろう。


あーいやだ。
こんなだから……


そこでやめとけ。
と、止める。
眠れば
時間が経てば癒える。


癒えるのか?


にこにこ笑って
何事もなかったように
笑って食べて暮らしていけば
全部まるごと平気になるのか?



そんなわけない。
そんなカンタンなわけはないのだ。


何十年も経った。
一万回、眠って起きた。
いまでも、いたいんだ。
透明な血がどくどく
目を溶かす。


そんなわけないんだけど、
平気なフリして
なにごともなかったように
楽しそうに
暮らすのだよ。


わたし自身のために。
わたしがわたしを
楽しませて
笑うんだ。
もっとうんとワガママに
生きてやるのだ。


ああしかしこの
シアワセそうに生きなくては
という呪縛のなんとキビシイことか。


そんな自縄自縛からも
自由になりたい。


風に流されて空にとける雲のように
すべてのものからときはなたれたい。


いつか
きっと