きのうは誕生日だった。33才になった。

そのことにすこしはしゃいで、
ふれまわる。
子どもみたいに。
今日は わたしの 誕生日 だよ。
ひとはおめでとうといってくれる。
Sさんはチョコボールをくれた。
Fちゃん*1は、ゆうなともえをあずかってくれた。
M氏は冗談を言い、映画の試写をみたあと
15人のひとたちで、D*2の音頭でビールで乾杯した。
33才、33才。
なんて漠然とした数字。
1,2,3,4,5,6,……、30、31、32、33。
うっかりすると、わすれてしまいそうだ。
「33」



ケーキもプレゼントもいらないけれど。
じゃあいったい何が欲しいのか わからないが
何か とても 欲しい気がする。
子どもじみた 欲望。


Dと夜の11時過ぎに
ふたりでP餃子*3へ行った。
すきま風がさむい。


映画のハナシや
Fちゃんのハナシをした*4
わたしはもっとほかのはなしがしたかった*5
ほかのはなしをしたかったのだけれど
はなそうとするとその話は、するりと逃げてしまうのだった。
だから、だまってすこしかおをしかめる。


話したい。話したい。
性交ならできる。きもちよくできる。
はなしたい はなしたいと けさそれぞれの毛布にくるまって 
ねむりたいDはやがてねむってしまい。
ねむりたいけどねむろうとしないわたしは とりのこされる。


しあわせとか ふしあわせの はなしをしたいのではなくて
ふあんや
かんけいや
みえないみらいの はなしを。

*1:D(元夫)の後の彼女。当時はともだちだった。おたがいの子ども同士も、ともだちだった。彼女は2回離婚していて、最初のときの子ども(娘がふたり)が、わたしの娘らとほぼ同い年で、仲が良かった

*2:元夫。子の父

*3:カウンターだけの小さなお店。中国のオジサンがやってた。いまはどこへ?

*4:たしかこの時、数日前にFちゃんに「Dちゃんがスキだ〜! 」と告白されて、手をつないで歩いた……と、すこし困惑したような、ようなことをうれしそうに言ってた。わたしは彼女がDのことをスキだということは、知っていた。みてりゃ、わかった。

*5:そして、この後ぱったりと、DはFちゃんのハナシをしなくなった